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愛らしい女性像、豊麗な裸婦像で知られる
印象派の巨匠、ルノワールの絵画を国内外
より集めての80余点が展示されています。
第Ⅰ章 ルノワールへの旅 第Ⅱ章 身体表現
第Ⅲ章 花と装飾画 第Ⅳ章 ファッションとロココの伝統
に分けられ、ゆったりした空間で観賞できます。
ルノワールとモネの熱い交流を想い、「新聞を読むモネ」、
「ブージヴァルのダンス」「闘牛士姿のアンブロワーズ・ヴォラール」
などの前で私は長く立ち止りました。
第Ⅲ章では「本を持つ少年」「縫物をする若い女性」
がとても身近に感じられて好き。
帽子の女性の背景に描かれた花々の華麗さにも
魅せられますね。その色づかい 巧みな構図
世界の美術館から来て一堂に会したルノワールの絵画を
廻り、ほのぼのした気持ちになれない人はいないでしょう。
印象派を好む私らにとってなによりのチャンスでした。
かねてTokiyo Kobayashiさんから御案内を頂いていた
「平泉展」へ。六本木の国立新美術館 A1展示場に
初めて入りました。NPO法人平泉会の主催する催し
にご出品の帽子を観たいと思ってのことでした。
広々とした展示場に、絵画、タペストリー、室内装飾、
アートフラワーなどあらゆる手作りの作品が並んでいて
その一つひとつに作者の心こもるメッセージが添えて
あります。ゆっくり廻って、ようやくTokiyoさんの作品に
出合うことが出来ました。それは2点の「揚げ羽」と名付け
られた帽子でした。その脇に「あじさい」の帽子の絵も…。
Newクレイアート(樹脂粘土)の作品「花の泉」。
その右は陶芸での手作り「猫のランプ」。こんなに
多種多様の作品が一堂に会した趣は圧巻でした。
さて、Tokiyo先生は30日(土)午後2時からギャラリー
ミニライブ♪「動くアート」婦人帽子トークショー
~春夏秋冬~を演出されます。モデルたちがギターの
調べに合せて帽子を見せます。たぶん卓抜なショーに
歓声が湧くことでしょう。
この日、行けなくなったのは残念ですが、もし、この欄を
ご覧くださったなら、国立新美術館へお出かけください。
「平泉展」(無料)です。同館では「ルノワール展」開催中
です(つづく)
混雑の中ではいやだなぁ、と思いつつ、上野公園へ!
東京国立博物館 平成館「大琳派展」は尾形光琳
生誕350周年記念。”継承と変奏”とあります。
列、斬新で艶やかな江戸時代の
装飾芸術を憧れるファンが大勢
いるのですね。(写真・平成館1階)
圧巻は俵屋宗達、光琳、酒井抱一
鈴木其一の「風神雷神」です。
本阿弥光悦と俵屋宗達を師と仰いだ光琳、光琳を
慕った抱一、其一が模写ながらそれぞれの独自な
工夫があり、これを一度に眼にすることができます。
第1章=光悦・宗達、第2章=光琳・乾山、
第3章=光琳意匠・顕彰、第4章=抱一・其一に
纏められた作品は一回りするだけでもしんどくなる
ほどの数々、即ち”琳派大展望”の見応えでした。
光悦の黒楽茶碗 銘 雨雲、赤楽茶碗 銘 峯雲、
舟橋蒔絵硯箱。宗達の白象図(杉戸)、西行法師
行状絵、光琳・乾山の角皿など、飽きることなく
見入ったことでした。
さて、もう一つの目当ては本館の庭前のユリの木
です。黄葉には少し早過ぎましたが、シャララ、
シャラと舞落ちて芝生を彩っていました。
30粒の種子から生まれた苗
を同14年に植えたものとあり
ます。あ、127年もずっとここ
に立って、四季を奏でているのだ…
素晴らしい秋空をバックに、超然と立つユリの木から
たくさんの贈り物をしてもらったことを思い起こしました。
表慶館の阿吽の獅子像も豊かな
力強さを持っています。大琳派展と
合わせて「スリランカー輝く島の美に
出会う」展を催しています。(10月28日記)
6月8日夜の
NHK番組プレミアム10「オペラ座の弁慶」を観ました。
パリ・オペラ座で歌舞伎公演。市川団十郎、海老蔵さん父子の弁慶に
亀治郎さん(大河ドラマ・信玄)の義経という顔合わせでした。
「勧進帳」は、安宅の関を無事に越えた義経を見送った弁慶が
六法で花道を引っ込みます。オペラ座にはそんな装置はありません。
どうするんだろう? それが知りたいと思っていました。
公演の準備を隅々まで取材したこの番組、とても見応えがありました。
オペラ座のステージを歌舞伎の舞台に造り替え、松羽目の松の絵を
手直しさせ、さて、弁慶引っ込み・・・は? となったとき、海老蔵さんは
客席中央に仮花道(舞台から急カーブ)をセットすることを提案。これは
幅90センチしかとれないので、かなり冒険的でした。
「危ないから敬遠するよ」と笑顔の団十郎さん。舞台正面から下手へと、
見事な六法はさすがでした。海老蔵さんの弁慶は若さ凛々、片足飛び
の六法で客席の真ん中を入りました! 先に入る義経や四天王も
もちろん仮花道です。
こうして勧進帳・親子弁慶はパリジャンを魅了
し、大成功の幕を閉じたのでした。めでたし、目出度し!
(写真右下は仮花道を入る義経)
朝刊を開いて、キュンキュン胸の鳴るような衝撃に襲われました。
華道家・安達瞳子さん(69歳)の訃報が眼に飛び込んだからです。
花芸安達流主宰。父君安達潮花の薫育を受けて68年に独立し、
華道一筋に生きた方です。黒髪に簪、きもので通された容姿の
たおやかな美しさも、文筆の才能輝くばかりの活躍も二十代からでした。
凛々しいまでの精進は月刊「花芸」をとおして周知の人も多いでしょう。
ひと昔前のこと、新宿三越のギャラリーで「さくら」を主題の花芸展
が開かれたとき、会場に来られた彼女を遠くから見て、まるで花の精
のようだと思ったのでした。広がるスペースいっぱいに吉野山を運んで
来たかと錯覚するほど見事な花と木と竹の演出がなされていました。
花芸の道はまだまだこれからと、この年の主題に取り組もうとされていた
矢先の逝去です。歌舞伎の「関の戸」の小町桜の精のように、儚く美しく、
花を待たずに逝くとは・・・。惜しんであまりある想いをひそと抱いています
遅れた春を急いで咲く沈丁花の香をいまは亡き佳人への手向けに・・・。
伝統工芸の分野で「キリカネ」をご存知ですか? 江里佐代子さんは
仏師・江里康慧氏と結婚、夫君の彫り上げた仏像の荘厳を手がけて
以来、キリカネ制作一筋に今日に至っています。その幅広い創作域、
伝統を凌駕する造形、清らかで、繊細な美しさに於いて、第一人者の
名にふさわしい存在です。では、どのような作品なのか? 言葉での
説明ではなく、実際にこの人の世界を覗き見ていただくしかありません。
現在、静岡県三島市中田町の「佐野美術館」で特別展を開催中です。
「金箔のあやなす彩りとロマン」江里佐代子・きりかねの世界展。
今月7日まで電話055-975-7278。2月12日~4月3日までは
北九州市立小倉城庭園。その後、富山市立佐藤記念美術館と巡回
する。さらに秋には東京・銀座和光での8回目の夫君との二人展をも
予定されている。関心を持たれることを期待し、幸ある出会いをお祈り
いたします。かく申す私は、平成2年に京都の平安佛所・江里工房を
訪ね、アトリエでの江里さんの”黄金の指の技”に接して以来のファン
のひとりで、長い厚誼を謝して、このチャンスを紹介するものです。
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