ゴンちゃん 3
「ようやくお天気になりましたね、曼珠沙華、咲いてます」
隣りの生け垣沿いに赤い布を広げたみたいな曼珠沙華。
彼岸花も曇天続きで咲くのが遅れた様子です。木槿の下に
ひゅるりひゅるり直立しているのが律儀で優しく信心深い人
みたいです。
青空さん、久しぶり。路地歩きついでにゴンちゃんのアパ
訪ねると階段上から駆け下りて来ました。
「元気してたのね」 雨続きに居なかったのはいつもの
叔父さんが家に入れてくれたのでしょ。たぶん。
ふッふッ 長~いしっぽをつまんでもニャンとも言わずに
カリカリを食べ、立ち去る私を見送るのです。
ちょっとだけの付き合い、すっかり馴染みになった付き合い
なぜか分からないけれどゴンちゃんは私の気持ちをふわり
と柔らかく包んでくれるのです。
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