ゴンちゃん
二、三日に一度、夕方、通り抜ける路地があります。
駐車場の脇に古いアパートがあり、そこにいる茶トラ猫が
ゴンちゃん。あたしの足音を覚えていてどこにいても走り寄って
来ます。やさしい感じのおじさんが通路の横に段ボール小屋を
置いてやり、カリカリと水の入った器も用意してあります。
雨の日は母さん猫らしいのと一緒に小屋にいるのを見たことが
あり、ゴンちゃんは恵まれた環境に暮らしていると思いました。
ここしばらく見かけないのを何処かへ遊びに行っているとばかり
思っていましたが、十日余り姿を見ませんでした。
「ゴンちゃん、帰っておいでよ」胸の内で呼びかけて通り過ぎます。
なぜか友達みたいになって「よしよし」なんて頭を撫でて少しの
時間を遊んでやるだけ。それだけのことなのに、姿を見ないと
気がかりでなりません。
台風の夜半、ふいに目覚めてちゃんと帰ってるかな、と猫友の
心配が募ります。大丈夫に決まってるのにね。
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