秋風にそよぐ
お日様は雲間に隠れたり、出たりの曇り空。
スカーフを巻いて支度を整える朝でした。
さやさや さや 細い枝を揺らして薄黄木犀が
咲きました。去年とは見違えるほど枝いっぱいに
ドーム型の一株はもう30年もの間背丈を変えずに
いて、小さな十字花を簪のように塊にして付けます。
金木犀、銀木犀と同種なのに葉にギザギザは
ありません。 濃い緑の葉に隠れるように可憐な
ブーケの黄色は鮮明でウスギモクセイと呼ぶより
キモクセイと呼ぶほうがふさわしいほど。
ほのかな、あまい、その香りは胸に沁み込んで
懐かしい想いを抱かせます。
「秋の挨拶に来ましたよ。お待ちどうさまでした」
小瓶に挿しました。母のように優しい匂いが漂いました。
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