黄昏て御神輿
御鎧さまの例祭は9月の日曜日。今年の12日は
いつもより三日も早く、まだ日中32度の残暑でした。
町内掲示板に「子ども神輿 午後1時」「大人神輿
午後4時」お神酒所より出発とあり、商店街の祭り
提灯を揺らす風もなく、黄昏の日差しに倦怠感の
漂う大通りでした。まずは御神酒所で礼拝を…。
例祭とあってか、祭り囃子の省略か、なぜかしら
ウキウキ気分になれないなぁ、でもせめてご町内
一か所だけでも…、額の汗を拭いながら歩み寄る
と、神輿は歩道で最終の点検を受けていました。
法被姿の担ぎ手さんが待ち構え、仕上げの白布
の巻き込みを見守ります。
交通規制なしの通りは車の流れも切れ目なし。
「コースはどうとるのですか?」「あぁ、ここから
商店街を鎧神社へ練って行きます。御宮さんで
お祓いを受けて三丁目の通り、一丁目の通り、
ぐるりと廻って裏路からこの通りへ戻りますよ。」
歩道に並んだ見物衆も退屈気味の様子でした。
ドーン ドーン ドンドコ ドーン。テンポ間延びの
太鼓に調子をとって、それでも威勢よく御神輿は
進んで行きました。
『柏睦』はお鎧さまの社のある町の神輿、古い
所縁の村名にちなんで宮前 柏睦と呼ばれて、
千年の伝統を現代に伝えてきた氏子連です。
黄昏ゆく都会の無機質な家並の中を揺られて
進む神輿の鳳凰を追いながら、(元気いっぱい
お祭りの行事をつづけておくれ)と祈らずには
おれない私でした。
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