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2007/03/15

白八重椿

奈香さんはことし八十歳になられた。かわいいワンちゃんを
散歩させて、おやつを与えているところへ通りかかったのが
きっかけで、ときどきお宅へも伺うほど親しくなりました。
ご主人は三年前に逝去され、「この子にしよう」と故人が選び、
貰い受けたチワワのペルちゃんとひっそり暮らしている奈香
さん。広い家がどこか寂しく思われるのは、お子さんたちが
アメリカで、年に1~2度しか帰って来ないという事情あって
のことでしょう。Smidori_006_22

「ペルがいますから、それほど寂しくはないのですよ」
そういって微笑む奈香さんです。Smidori_4
先日、友人から戴いたお赤飯
を差し上げようと気安く訪ねて、庭の奥に咲いている紅八重椿を
眺めました。見事な大樹です。「写真撮らせてね」「どうぞ!」
 そして二日後のこと、ワンちゃん用スナックを持った私は
いそいそとお宅へ。
 ペルちゃんを抱いた奈香さんと庭先でおしゃべりして、
さあ、椿を撮ろうとしたとき、意地悪な突風で、揺れに揺れて
紅椿のシャッターチャンスを逃がしていまいました。リビング
の前の植え込みに、まだ幼い椿の木が量感ゆたかな花をつけて
いました。あ、ここは風が邪魔しない・・。
 そっと、近寄ると目立たぬ名札。“白八重椿”とありました。
奈香さんはご主人のお好きだった椿の苗を植えられたのでした。
大切に育てて、こんなに大きく花を咲かせて、ひとり静かに
眺めておられるに違いない、そう想いながら「老いてなお
美しき日々」とは奈香さんを形容して言うのだと、しんみり
しました。(奈香さんは仮名)Smidori_007_20

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都会の四季」カテゴリの記事

コメント

なをさん。桜の開花、東京が一番早かった
そうです。この頃、桜のきものをデザイン
されて「なんだか死なないような気がする」
といわれた宇野千代さんを思い出すのです。
千代さんならではの言葉ですね。
 むかしの女性のほうがしなやかだったと
在りし日の姿を偲んでいます。

zuccaさんのブログで一番早く(人よりも)
春を知るのは野鳥たちだと解りましたよ。
可愛くて、けなげですね。エナガさんの尾
をじっくりと見ました。美しい直線ですね!
 わたしは風邪で寝込んだりしてクスン
クスンいってます。お花見を先に延ばした
のがせめてもの救いでしょうか。

たおやかな人生を送られてる方ですね。

80歳になった時にこんな風な静かな人になれていたら
どんなにいいでしょう。
でも、まだまだよ!って強がって頑張っていたいかな(笑)

100歳近くの宇野千代さんが「死なない気がする」
そんなのも素敵ですよね♪

こんばんは。
白八重椿のなんと素敵な白でしょう。
紅椿は風のいたずらで残念でした。
椿も、花を楽しめるのはあと少し。
そろそろ桜の便りも・・・一気に春になってゆくのね。

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