2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2005年9月4日 - 2005年9月10日 | トップページ | 2005年9月18日 - 2005年9月24日 »

2005年9月11日 - 2005年9月17日

2005/09/12

本の話

smidori_002
smidori_003
町内の秋祭りと総選挙と激しい夕立が重なって、気忙しい一日
だった。こんな日は祭り太鼓の音をBGに読書に過ごすのが一番
だと思う。そこで、本棚から取り出したのは昭和59年11月初版
の山本健吉著「刻意と卒意」(こくいとそつい)角川書店。
 山本先生はいまも敬愛してやまぬ評論家である。「最新俳句
歳時記」、「ことばの季節」、「旅のこころ」、「身辺歳時記」ほか
たくさんの名著があるが、これは主として文学と芸術についての
エッセイ集である。
 冒頭の書跡談義に、母上が巻紙に手紙を書く時の思い出話が
あり、さらさらと認める筆運びの自在さに書の真諦があるのでは
ないかと述べられる。書家が作品として額や半折、碑文などを
揮毫する時の態度を「刻意」とすれば、実用の文を綴る時の無心
の書き方を「卒意」とし、相反する二つの態度の双方を尊重する
ところから表題に選んだとあとがきにある。
 説明すると硬くなるけれど、収められた項目はすべて易しく、
達意の文章である。「文と生死」「自然と風土」「美しいものの世界」
「遊戯する心」それぞれに著者の好む日本人の美意識がどのように
して現代に伝承されているかが考察され、ひたすらなる”いのち”の
賛歌へと帰納していく。
 佐理の書から蕪村の俳意、平山郁夫画伯から蜷川幸雄、さだまさし
にいたるまで、読み返すたびに新しい発見を得て、ページを繰るたの
しさは尽きないのである。
               (また花をつけた柘榴と大きくなりゆく実)
                            

« 2005年9月4日 - 2005年9月10日 | トップページ | 2005年9月18日 - 2005年9月24日 »